あさっての退去を前に、今日も部屋の大掃除にいそしむ。

この部屋に住みだしてから、早1年半。
湿気がたまりやすかったり、換気扇をまわすとなぜか嫌なにおいの空気が入ってきたりと、住んでいて不満ばかりがたまる家だったけど、さすがに1年半も住めば愛着もわく。


その部屋を掃除していて思うのは、とにかくゴミが多い!
うずたかくつみあがったゴミ袋の山をあらためて見ていると、よくもまぁ、こんなにもゴミにかこまれながら生活していたもんだ、と感心させられる。

でもその分、思い出もいっぱいつまっている。

部活時代の新歓パンフレット。
大会でもらった賞状やリボン。
試合のビデオ。
いろんな写真。

それぞれに思い出がいっぱいにつまっていて、手に取る度にその思い出がリアルによみがえってくる。
ひとつひとつのものが、まるで「マッチ売りの少女」のマッチみたいに、いろいろな白昼夢をつれてくる。
掃除も遅々として進まない。

なかでも一番思い出がいっぱいつまっているのは、姫との「思い出BOX」だ。

ボクは二人の思い出の品を、昔、姫からもらったバレンタインプレゼントの箱にいれて保管するようにしている。
例えば、先日みたいに動物園に一緒にいったら、返してもらった入場券の半券をとっておいて、帰ってきてからその箱にいれておくわけだ。
そうすれば、月日がたち、その思い出が色あせかけても、その箱を開く度にその思い出がまざまざとよみがえってくるというわけだ。
名づけて「思い出BOX」!

今日、掃除のかたわら、その箱を久しぶりに開けてみた。
そこにはいろんな場所の半券やプチパンフレットなんかがつまっていて、「こんなとこ行ったなー」とか「あの時はああだったっけ」みたいに、思い出が次から次へとあふれ出してきた。
そしてその時々の感情もリアルによみがえってきて、体中が暖かい気持ちで満たされていくのを感じることができる。

この箱はボクにとって最高の宝物だ。
札幌に行って、歩くのに疲れたり、道に迷いそうになったら、またこの箱を開けてみようと思う。