たまらない心細さに襲われ、道に迷いそうになることがあった。
元来つるむのとかはあまり好きじゃないし、孤独にはめっぽう強い方だと自分で思っている。
でも仕事で自分に失望したりなんかした日、
家には食べるものが何もないので、仕方なくコンビニで弁当と缶ビールを買って、その袋をぶら下げながらとぼとぼと一人歩く帰り道。
夜の空気はまだ冷たく、時たま吹く北風が孤独を一緒に運んでくる。
そんな時はさすがに孤独に強いボクも心細さに立ち尽くしてしまいそうになる。
ボロボロの心を抱えつつ、ジメジメしたくらい階段を上り、重く冷たいドアを開けたとき、ふっと温かいみそ汁のにおいがして、優しい笑顔で迎えてくれる人がいたら、きっと泣きながらその人を抱きしめプロポーズしてしまうだろうなと、ありえない空想をしつつ、ひとり自嘲的な気分になる。
そんな脳が半分麻痺した状態でするプロポーズの仕方では、お互い不幸になるだけだとは分かりつつも、そうしてしまう人の気持ちが痛いほどよく分かる。
弱いよね…
GW中は姫がボクの部屋にホームステイして、足りないものを買ってくれたり、掃除をしてくれたり、ご飯を作ってくれたりと、本当によくしてくれた。
お弁当を作ってくれたので、早くそれが食べたくてウキウキした気分で午前中を過ごせたし、午後は午後で帰ったら会えると思うと、楽しい気分ですごせた。
帰り道も、ドアを開けるといいにおいがただよってきて、笑顔で迎えてくれる人がいると思うと、顔がほころび、足取りも軽くなる。
ホントに気の持ち様なんだな、と思う。
冗談で、
「遠くにいると弱気になってプロポーズしたくなるけど、近くにいると弱気の虫が飛んでいくからプロポーズする機会がない… うーむ、恋人のパラドクスだね…」
なんて言ったら、
「なにそれー!」
と言って怒っていたけど、それでいいんだと思う。
やっぱそういうのは淋しさに負けてするものじゃないよね。
なにはともあれGW中は本当にありがとう。
これからも何とかやっていけそうだ。