最近ようやく心に余裕が出てきた。

ようやく仕事にも少しずつ慣れてき、また自分のまわりの素敵なものを楽しむ余裕が出てきた。



例えば、昼休み桜の木の下のベンチで食べるお昼ご飯、そして食後の読書。

まだ少し肌寒さの残る日もあるけど、晴れた日なんかは日差しがとても暖かく、ぽかぽかしていて最高に気持ちがいい。

しかも最近は心動かされる本にたくさん出会えてなおさら幸せ。



例えば、仕事が早く終わった日のデパ地下でのウィンドウショッピング。

ベリータルト、モンブラン、シュークリーム、チーズケーキetc.…

帰り道をちょっとそれると、そこにはなんとも魅惑的で、目にも鮮やかな空間が広がっている。

たった1個のケーキを買うために、そのスィーツストリートを何度も往復して、その日の気分にあった最高のケーキをひとつ決める。

そして帰り道のウキウキした気分、食べた時のとろけるような幸せ。



でもなによりの幸せは仕事終わりのビール!

仕事を終え、でもそこでのどを潤すことなく、渇いたのどを抱えたまま家に帰り、流し込むその1杯!



4月には気付かなかったけど、ちょっと余裕を持つだけで、素敵なことはいっぱいまわりにころがっていた。

よし、行けそうじゃん自分!


でもひとつ気になるのはカロリー過多…

今は大丈夫だけど、年とってからツケがまわってきそうだなー(苦笑)


たまらない心細さに襲われ、道に迷いそうになることがあった。


元来つるむのとかはあまり好きじゃないし、孤独にはめっぽう強い方だと自分で思っている。


でも仕事で自分に失望したりなんかした日、

家には食べるものが何もないので、仕方なくコンビニで弁当と缶ビールを買って、その袋をぶら下げながらとぼとぼと一人歩く帰り道。

夜の空気はまだ冷たく、時たま吹く北風が孤独を一緒に運んでくる。

そんな時はさすがに孤独に強いボクも心細さに立ち尽くしてしまいそうになる。

ボロボロの心を抱えつつ、ジメジメしたくらい階段を上り、重く冷たいドアを開けたとき、ふっと温かいみそ汁のにおいがして、優しい笑顔で迎えてくれる人がいたら、きっと泣きながらその人を抱きしめプロポーズしてしまうだろうなと、ありえない空想をしつつ、ひとり自嘲的な気分になる。

そんな脳が半分麻痺した状態でするプロポーズの仕方では、お互い不幸になるだけだとは分かりつつも、そうしてしまう人の気持ちが痛いほどよく分かる。

弱いよね…



GW中は姫がボクの部屋にホームステイして、足りないものを買ってくれたり、掃除をしてくれたり、ご飯を作ってくれたりと、本当によくしてくれた。

お弁当を作ってくれたので、早くそれが食べたくてウキウキした気分で午前中を過ごせたし、午後は午後で帰ったら会えると思うと、楽しい気分ですごせた。

帰り道も、ドアを開けるといいにおいがただよってきて、笑顔で迎えてくれる人がいると思うと、顔がほころび、足取りも軽くなる。

ホントに気の持ち様なんだな、と思う。

冗談で、

「遠くにいると弱気になってプロポーズしたくなるけど、近くにいると弱気の虫が飛んでいくからプロポーズする機会がない… うーむ、恋人のパラドクスだね…」

なんて言ったら、

「なにそれー!」

と言って怒っていたけど、それでいいんだと思う。

やっぱそういうのは淋しさに負けてするものじゃないよね。


なにはともあれGW中は本当にありがとう。

これからも何とかやっていけそうだ。


4月29日から昨日まで姫が札幌に来ていた。


久しぶりに会った姫は外見はほとんど変わっていなかったけど、離れる前とは違うにおいがした気がした。



においは不思議だ。


ヒトはみんなそれぞれに独特なにおいを持っている。

そしてそのヒトが生活する部屋もそのヒトと同じにおいがする。


まだお付き合いしていない頃、姫とそして姫の部屋のにおいがとても好きだった。

ほんわかしていて、やさしくて。

姫の部屋に行った後は、ボクの服や髪なんかにもその部屋のにおいがしみこんでいた。

帰ってからもそのにおいをいっぱいに吸い込んだTシャツに顔をうずめたりなんかしては、ひとり幸せな気分にひたっていた。



でもふたりの距離が縮まり、日常的にその部屋を訪れるようになると、いつのまにかそのにおいを感じることはなくなっていた。

ヒトは自分のにおいを感じることができない。

その頃はきっとそれが自分のものか相手のものかすらわからなくなるぐらい、近くにいたのだろう。



今回、久しぶりに会って、懐かしいにおいを感じた時、つくかはなれるか微妙な頃の甘ずっぱい思い出がいっぱい甦ってきた。

でもそれと同時にあらためて距離を実感することになって、少し切なくもあった。

もうそのにおいはすぐそこにあるものではなくなってしまった…


『だららん日和 ~リラックマ生活2~』 byコンドウアキ

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今けっこう流行っているらしい、リラックマからのメッセージ集。

いや~、これ流行るん分かるわー。

なんともほんわかと癒される。


みんな疲れてるんだろう。

誰か(ホリエモン?)がこれからは「癒し系」がさらに流行るとか言ってたけど、そうなのかも。


ボクもテキトーなところはとことんまでテキトー主義だけど、こだわるところにはかなりかなり完璧を求めてしまうタイプ。

最近は仕事を上手くこなせない自分に対するもどかしさや焦りで、かなりはりつめていた。

正直あまりいい精神状態とはいえなかった。


そんな状態のボクの心に、このなんともほんわか、のんびりしたリラックマのメッセージと、コミカルな絵は優しく染み入ってきた。

メッセージはけっこうありがちな励まし系なんだけど、そのとなりの挿絵がなんともいえないいい味を出していて、メッセージを上手く心まで届けてくれる。

リラックマのボケと、キイロイトリのツッコミでぷっとふきだしているあいだに、メッセージが優しく伝わってきて、はりつめた心がちょっと緩んでいくのが分かる。

使い方にも書いているけど、ダーっ、と一気に読むより、ゆっくりメッセージを味わい、かみしめながら読みたい本。


強い人や厳しい人には甘えに見えるかもしれないし、実際そうなのかもしれない。

でも疲れたときや、落ち込んだときなんかにはかなりいい癒しになると思う。


これからは疲れたときはちょっと立ち止まってこの本をぼけーっと、眺めてみることにしよう。

この本を贈ってくれた人に感謝☆

『娼婦の部屋 不意の出来事』 by吉行淳之介

 

アンソロジーで読んだ「手品師」という作品がいたく心に残ったので、はじめて挑戦してみる。

これはすごい。

あまりにもせつない。

語彙のないボクにはそうとしか言えない。

特に恋愛をテーマに扱った最初の3篇、「娼婦の部屋」、「寝台の舟」、「鳥獣虫魚」はほんとうにせつなすぎて、読んでいてなんども呆けたような状態になってしまった。(それ以降の作品はやや難解でボクには上手く理解できなかった…)

 

そのせつなさが心にやさしく染み入りつつも、それが心の中で形を変え欲望になって暴れだしてしまうから、タチが悪い。

やり場のない哀しみと欲望を同時に残していくから、このひとり身には本当につらい。

人肌が恋しくてたまらなくなる。

 

そしてそれをもてあましたボクは今日も一人、酒の世界に逃げていく…

 

 

『幸福な食卓』 by瀬尾まいこ

 

吉行淳之介さんの作品ばかり連続で読んでると、精神のバランスを崩してしまいそうなので、救いを求めて読んでみる。

そして期待にたがわず見事に救われた。

ええ作品や。

あー、こんなに思いやりを持ちあえる関係って素敵だなぁ、としみじみ思う。

そして普段はそんなありがたさにも無自覚に生きているんだけど、ふとした瞬間にそれが実感できて、たまらなくいとおしい気分になるんだろうなー。

 

幸せに決まった形なんてあるはずがない。

「夫婦別姓にすると、家族の絆がなくなってしまう」とか、

「家長制があった昔はよかった…」みたいなたわけたことをいっている保守派の政治家とかに読ませてやりたい。

大切なのはそういううわべの形なんかじゃなくて、心のそこから相手のことを思える”思いやり”だろう。

大事な人に対しては一生そういうスタンスで向き合っていきたいな。

そもそも愛国心ってなんだ?

 

人間は自分の帰属するものに愛着を持つ傾向にあるようだ。

われわれは国で言えばもちろん日本に帰属し、そしてもっと細かく言うと、各都道府県や、市町村に帰属する。

そしてオリンピックを見れば日本の選手を応援し、高校野球を見れば自分の出身都道府県の高校を応援し、結果に一喜一憂する。

 

去年は世界的舞台で活躍する日本人が多くでた。

北村さん、谷さん、松井さん、イチローさんetc.…あげだすと枚挙にいとまがない。

そして彼らの活躍が報道されるたびによく聞かれたのが、「同じ日本人として誇りを感じる」的発言。

 

ボクはこういう発言を聞くと、どうしても首を傾げたくなってしまう。

 

たしかにイチローさんとかはすごい、すごすぎると思う。

その偉大さは世界的に認められるに値することだろう。

 

でも、でも…

すごいのは活躍した彼らであって、はっきり言ってボクらはまったくすごくない。

なのに同じ日本人というだけで、一体感を感じることができ、誇りを共有することができる。

それはなにもスポーツだけの話ではなく、経済とかでも同じなのだろう。

GDPが何位だとか、コクサイテキチイとか。

そして畢竟、そういうものを通して間接的に得られる評価とか名誉みたいなものが愛国心につながるんではないかなー、とボクは思っている。

 

 

でもさっきも少し書いたけど、ボクはそういうものに懐疑的だ。

自分とは直接関係ないのに、周りからはすごいとか言われたり思われたりしても、だからどうなんや、と思ってしまう。

外国の方に「日本のGDPはすごいですね!」とか言われても、ボクには「はぁ」としか言いようがない。

そんなハリボテみたいな誇りを持つよりは、周りの評価は低くても、自分自身の中に誇れるものを持ちたいと思う。

 

 

でも歴史を紐解けば、戦争とか民族的対立ってほとんどコクサイテキチイとかメイヨを競っておきてるみたい。

一部の国家のトップにとってはそれが自己実現になるのかもしれないけど、そのために国民はていよく踊らされているだけのような気がする…といったら言い過ぎだろうか。

実際、そういうことを通じて誇りを感じる人が多いというか、ほとんどだからそれも不自然ではないのかもしれないけど、ボクにはひどくむなしく思えてしまう。

最近、愛国心について考えさせられることが多い。

ほかでもない。

最近の東アジア情勢が原因だ。

 

 

韓国とか中国で起こる反日デモを見ていると、「ホンマによーやるなー。」と、ただただ呆れさせられる。

竹島問題にしても、職業が漁師で、生活に関わるとかだったらまだ分かる。

でもあの人たちの生活に竹島が直接関わってきてるとはどうしても思えない。

 

でもあの人らはこの上なく本気だ。

むしろ本気すぎて恐い。

 

直接知ってるわけじゃないけど、日本の全闘共とかも似たようなもんだったんだろうなと思う。

あまりなにも考えてないけど(ってか考えてないからこそ!?)、とりあえずみんなで一丸になって、立ち向かうべき「悪」を作り出して、それと徹底的に闘っていく。

それはある意味気持ちのいいことなのだろう。

「悪」に一緒になって立ち向かっていくことで、恐ろしいほどの連帯感や一体感、そしてなにより自分が「正義」の味方になったかのような陶酔感が得られるのだろう。

 

でもその陶酔は錯覚だ。

よく考えればひたすらにむなしい。

 

そもそも「悪」と「正義」の前提があまりにも主観的で偏りすぎている。

ちょっと考えれば自分のバックグラウンドがあまりにもあやふやで不安定なものだと気付くだろう。

 

でも彼らはそういうことにすら気付かず、自分の「正義」をひたすらにそして盲目的に振りかざす。

そしてその「正義」にひたすら酔っている…

 

そういうことでしか、自己満足が得られないのかと思うと少し同情してしまう。

なんか「愛国心」とかいう実態のよく分からないものに踊らされてるだけじゃない?

竹島が自分の国の領土であろうと、となりの国の領土でもどっちでも、自分には関係ないやん!?

たとえ自国がふぬけでも自分がしっかりしてたらええやん!?

そんな間接的で曖昧な自己実現を目指さんでも、もっと直接自分を磨いたらいいやん!?

 

まぁ価値観はそれぞれなんで、ボクには何も言えないけど…

でも人に迷惑かけたらあかんわ。

読書メモ

 

『十八の夏』 by光原百合

 

双葉文庫の新人フェアみたいなので紹介されていたので、興味を持って読んでみる。

 

泣いた。

短編集だが、2編目の「ささやかな奇跡」は途中から涙が止まらなくなった。

 

妻をなくし、息子とふたりでやもめ暮らしをする、全国チェーンの本屋に勤める男と、以前に結婚を約束した相手を事故でなくし、その上その人とのあいだにできた子供を死産することになってしまった、町の本屋を営む女性が不器用ながらも次第に心通わしていく、というストーリー。

思い出と、新しい現実の恋の間にゆれる二人の姿がなんとも切ない!

 

男にとって妻の死は最初、異物を無理やり飲み込まされたような感じで、怒りや息苦しさしか運んでこなかったけど、やがてその異物も体内で次第に消化され、澄んだ水のような哀しみしか運んでこなくなり、体の一部となっていった、という。

なんていい思い出の消化のしかたなんだろう!

そしてお互いに、そんな相手の過去を尊重し、大切にしつつ、お互いを一番大切と思える…

くぅーっ、なんていい関係なんだ!

 

 

現実世界では、新しい恋がスタートする時、相手に以前の恋人との思い出をすべて破棄することを求めてしまう人は多い。

でもそれは、自分に自身が持てていなかったり、相手のことが信頼しきれてないことのうらがえしだと思う。

 

偉そうに書いてるけど、ボクも昔は姫が以前お付き合いしていた人の影に散々打ちのめされたりした。

自分勝手にその人と自分を比較しては苦しんだり、卑屈になったり、時には相手を責めたりもした。

 

本音を言えば、そりゃ誰だって自分だけを愛して欲しいし、自分だけを見てほしい。

でもこの世の中、そんなことってありえないと思う。

どんなに大切な人がいようとも、にんげん時には他の人にちょっとした好意を持ったりしてしまう。(ボクだけ!?)

思い出にすがりたくなる時だってあるかもしれない。(これはボクにはあまりない)

 

でも実際に今はお互いにとって、お互いが一番大切なんだと思える自信と信頼。

そういうものがあれば、過去だろうがなんだろうが受け入れていけると思う。

そりゃちょっぴり嫉妬はしちゃうけど…

でもそんな嫉妬とかも、人生のスパイスがわりとして、自分を磨くきっかけになれば、それもそれでまた素敵。

 

 

うーん、なんか本の本筋とずれてくさいことを語ってしまった…

現実がそんなに上手くいくわけはないけど、そうなれたら素敵だなー、とは思う。

ボクは救いようのないドリーマーだ。

 

今日寝坊して遅刻した…

まだ3回くらいしか出勤してないにもかかわらず…

 

起きて時間を見た時は信じられなかった。

びっくりの10時!

 

大学の部活時代は毎日4時台とか5時とかに起きていた。

でも3年半で遅刻したのは目覚ましの鳴る時間を12時間間違えた1回だけだ。

目覚ましに気付かなかったことなど一度もない。

だけど今日はまったく気付なかった。

朝はツヨイと思っていただけに余計ショック…

 

はぁ…

いきなり評判ガタ落ちだ…

これを取り戻すには何倍も努力しなくてはいけない。

なんてことをしてしまったのだ!

 

今日は何も書く気せず。

明日からはまた緊張感を持ってがんばろう!

 

今日は働きはじめて初のオフ♪

忙しくて今週は休みなしかと思っていただけにラッキー。

平日は店に買出しに行くこともままならないので、ここぞとばかりに生活必需品をいろいろ買いに行く。

同じ一人暮らしでも、学生時代とはやっぱ違うと実感。

 

 

このごろblogしたり、働き出したりで明らかに読書量が落ちた。

帰宅後ビールをがぶ飲みしてボーっとしている時間がとても無駄なので、ぼちぼち読書したり勉強したりする習慣をつけていこう。

そんなこんなだけど、最近読んだ本をメモ程度に。

 

『流しのしたの骨』 by江國香織

江國さんの本はけっこうカバーしてるけど、この本はなんかミステリーっぽいタイトルから敬遠していた。

でも実際は全然ミステリーテイストなどなく、すごく素敵な物語だった。

食事中ずっと手をつないでおくために、左手だけで食事する練習をしたり、食卓に紅葉した葉っぱが添えられていたりなんて、とても素敵な生活だと思う。

それにしても家族(親の教育)の影響ってとても大きいんだなと改めて実感。

そういうのを強く引きずった人なんかはやっぱ結婚すると苦労しそうだなー。

 

『だれかのいとしいひと』 by角田光代

おもしろかった。

これも素敵な生き方をしている人がいっぱい。

元カレの家に復讐のために、合鍵を使ってしのびこんだり、昔埋めた凧を掘り起こしに行ったり…

あぁ、ボクも素敵な生き方をしたい…

 

『少女の器』 by灰谷健次郎

物語というよりエッセイみたいな感じ。

でも人間関係の分析とかボクの何万倍も鋭いなー。

 

『いじめの時間』 アンソロジー

イジメはかなり好きなテーマ。

湯本香樹実さんの本は読んだことがなかったが、かなり感性が合いそうなので読んでみようと思った。

 

『夏の庭』 by湯本香樹実

うーむ、小学生か中学生の頃にこの本を読んでいたら…と思わずにいられない。

また大人になって子供の心を見失いそうになった時にも、子供と一緒に読みたいなー、と思わされる本でした。

 

『せつない話』 山田詠美編

吉行淳之介さんの本は読んだことがなかったけど、「手品師」という短編を読んでぜひ読んでみたいと思った。

展開はちょっと読めてしまったけど、なにより鋭いし、短い中に童貞男のせつなさがつまっていて震える。

今度ぜひなんか読んでみよう。

 

『夜のピクニック』 by恩田陸

本屋大賞受賞ということで、かなり期待して読む。

悪くはなかったけど、期待が大きかっただけに…

青春ものは大好物で名作をいっぱい読んできただけに、見方が厳しくなってしまうのかもしれない。